Dear...
マフラーが 落ちないように巻きつける 母の手を今思い出しているDear...
枇杷の花 冬木のなかににほへるを この世のものと今こそは見めDear...
草まくら 時雨ぞ寒きわが友の なさけの羽織いただきて着むDear...
朝清め 今せし庭に山茶花の いささか散れる人の心やDear...
あらたまの 年の若水くむ今朝は そぞろにものの嬉しかりけりDear...
こころよき 寝覚なるかも冬の夜の あかつきの月玻璃窓(はりまど)に見ゆDear...
駒とめて 袖打ち払ふ陰もなし 佐野のわたりの雪の夕暮れDear...
虫食いの みどりも共に きざむなり 冬の鏑(かぶら)よ よくきてくれたDear...
街をゆき 子どもの傍を 通るとき 蜜柑の香せり 冬がまた来るDear...
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 触れる白雪Dear...
山里は 冬ぞ寂しき まさりける 人目も草も かれぬと思へばDear...
田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ